2008-07-05

NIIの市民講座で科学の最先端をキャッチしよう。


昨日、国立情報学研究所(NII)の市民講座に参加してきました。国立情報学研究所の市民講座をはじめて知ったとき「8語でつかむ情報学」という年間共通タイトルで開催していて、こう言われるとほら、忙しいしいけないだろうと思っても、「情報学」って括りのキーワードを8つ知ったら、ちょっと面白いかもな、ということぐらいは伝わる。で、その「情報学」というのがですね、と話の進みようもあるわけだし、実際、その中味はたっぷりありますし、非常に現在の暮らしを未来へ向けてサポートしてくれるような技術も多いのです。

このように活きた科学技術についてその分野の専門家が最近の成果を語るという趣旨がビジネスパースンに合っているからか、国立情報学研究所の市民講座は、毎回ビジネスパースンの参加がとても多いのが他にあまり見られない大きな特徴です。竹橋というアクセスのよさもあるが、これがたとえば幅広い教養目的のようなものだと、なかなか働き盛りの方々には来ていただけないのではないかと思いますね。

さて本年度は「未来へつながる情報学」というシリーズタイトルで、昨日は第2回目の開催。画像処理の話題でした。「画像処理」だけとなるとこれはかなり特殊な話であるわけだが、講師の杉本晃宏(コンテンツ科学研究系)教授が「とにかくいっぱい動画や画像を用意してきました!」とおっしゃるだけあって、参加者はもうとにかく次々観ることによって、画像処理の課題をつかんでいく構成。専門的なものを一般向けに(うそなしに)伝達するには、話題を切り出す技術が欠かせないわけだが、その意味でとっても思い切りのいい、すがすがしい構成でした。

市民講座ではこのあと質疑応答コーナーがあり、ロボットの研究で知られる稲邑哲也准教授が会場の質問(参加者に紙に書いてもらってその場で回収する)をとりまとめて、講演者に質問する。稲邑先生の質問は、会場からの質問をいったん自分の関心に引き寄せて、主体的にギモンを投げかけていくスタイルである。あんまり目立たないかもしれないけど、稲邑先生の「本当に知りたい」ために発せられた質問と、それを満たそうとふんばる答え。これがまた、NII市民講座のもうひとつ、面白いところなんじゃないかと私は思う。

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