2008-07-13

人生の確率と、想像力について。

小島寛之監修『人生の確率』宝島社文庫
を読んだ。おもしろかったですよ。
たとえばですね、

1 オリンピックに出られる確率
2 ミリオンセラー作家になる確率
3 オレオレ詐欺でだまされる確率

のうちどれが一番確率が高いと思いますか?
と私が言うとしますね。本にある答えは

1 0.007%
2 0.0065%
3 0.008%

だそうです。どうです、当たりましたか?

しかしこの本には、どういう統計方法をとったかが明記されていますので、これをいちいち読み上げていくと、きっと「なあんだ」とも思われるんじゃないかとも思うんです。そうすると最初の印象がぼやけたり、逆にある条件下の数字よりは、自分の直感のほうが正しいようにも思えたり……ということになってくると、結局、「まあまあ」統計なんてもんはつかずはなれずにしときゃいいんですよ、てなことにもなりそうです。

しかしホントに、そういうもんなのか?

そこではたと気づいたのですが、アクセス解析のローデータじゃないですけど、やっぱり生の数字を見て、統計としてどうまとめるか、という発信者の立場に立たないと、統計って見えてこないよなと。それを受け取るほうから考えると、役に立って、現実にも合う数字をだしてくれよという、それに尽きるわけですが、そうだからこそ疑心暗鬼になってしまうという部分もあって、その当の数字が真に活かせないのではないか。

出す方の身になって考えると、こうすればこういう数字になるし、ここを何かと「見なせば」やや驚くような、数字にもなるよな。……でもって、この数字全体が語るところと比べて、どの数字を「答え」として選ぶのが近いかな──と、たぶんこう考えるんじゃないですかね。もちろん方法としてはきちんと手続きを踏むのですけれども。

一般に科学的な想像力が育たない原因というのは、自分が科学技術を発信する立場に行くことへの想像力の不足から来るのではないか。そういう気もしつつ、最近、確率統計づいているのであります。

週刊リョーシカ!
「確率の考え方編」

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