『ニッポンには対話がない』は、三省堂が版元なのだが、最初三省堂の店頭で見て、結局買ってしまった。図書館にリクエストしたがなかなか順番が来なかったからである。海外と日本の教育や社会の根底にある考え方の違いに関する見解を書いた本の中で、少しいままでにないものだと思うのだけれど、そのような本が順番待ちになっているのだ。
で、その直前に読んだ『R25』の高橋秀実さんのコラムの中にも、ちょっと気になることが書いてあったので、ググってみて高橋さんのインタビューを発見した。あたりだった。高橋秀実というひとの魅力の一端が、ほの甘いビスケットの屑のようにぽろっとこちらへこぼれてきた。以下引用。
わたしは面白い話を書こうというのではなくて、当たり前のことが当たり前であるが故に面白い、その辺が描けたらいいなといつも思っているんです。
会社から帰ると、出ていったときと家の中が同じで当たり前。昨日と今日が同じに見えるというのは、何もしなかったのではなくて維持する作業があるんですよね。元通りにしている人がいたり、そこに労力が使われているということが忘れられている感じがするんです。特に男の人はその辺の感性が鈍いような気がする。
「本当に当たり前なのかな」という疑問を持とうとしているんです。
※上記の引用元はこちら
http://www.hohjinkai.or.jp/interview/0703.html
ある社会で、かなり「当たり前」であることに、ごく平凡な──もちろんいい意味で──疑問を抱くこと。「消費トレンドは女性に訊け」のような取り組みとは明らかに異なる、「日常生活」の掘り下げが、ここにはあると思いました。
それが変化だ。小さいけれども。
2008-09-03
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