2008-12-01

人口ピラミッドと想定読者

日本の人口年齢別比率
先日科学者の先生が、中学生が読めるような本を目指したいといった趣旨のことを話された。本をつくるときにはだいたいこのくらいの人が読んでわかるようにつくろうというラインを考えるのがふつうであり、新聞を読む一般読者というように表現することもある。この場合は科学の本なので、中学校の理科や数学で習うぐらいの基礎知識があれば、ということを言われたわけである。

ちょっと気になったので、あらためて人口ピラミッドを調べてみた。
ネット上にたいへん便利というかずばりな統計資料がある。

国立社会保障・人口問題研究所「人口ピラミッド」
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/Pyramid_a.html


上記のURLでは、1930年から2050年(2010年から推定)の人口ピラミッドを見ることができる。各年の図版のダウンロードも可能。

視覚的にはわかりやすいが数字になっているほうが操作しやすい。そこで以下から国勢調査(平成17年)の統計表がダウンロードできた。

政府統計の総合窓口
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001007609&cycode=0


この数字をざっくりまとめたのが上掲の円グラフ。日本がもし10人の村だったら、20・30代が3人、40・50代が3人、60代以上の老人が3人、中高生が1人という具合である。

このような現実と併せて考えると、中学生が読めるという内容が、どのように読まれると考えるべきなのかは、なかなか微妙である。たとえば生徒につきものの「進路」という問題にしても、9人はすでに決まっていて、これから科学を志す可能性があるという人は1人しかいないのである。

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