2008-11-02

東京言語研究所の公開講座へ行った。

複雑系としての言語現象スライドby池上高志氏

西新宿に東京言語研究所というところがあり、一般向けに言語に関するセミナーなども行っているという。その東京言語研究所が主催する2008年度第二回公開講座が開催されるというので、聴きに行った。講師は池上高志氏(東京大学大学院総合文化研究所教授)で、講演のテーマは「複雑系としての言語現象」。

少し前に「科学のはなしが持つ、ほんとうの輝き。」で書いたのだけれど、科学の分野では、出かけていくとやはり収穫が大きい。今回もそうだった。

「物理という分かり方から、複雑系という分かり方に興味を持つようになった」

池上氏は物理出身で、三葉虫の化石のコレクターで、人工生命という分野からぐわーんと──チョムスキーを経て──「クオリア言語進化論」へ。

以前渋谷で講義したときに「複雑系ってどういう系?」と訊かれた! というすごいエピソードには、のっけから会場も大爆笑。

「それから、複雑なものを取り扱っているから複雑系なんじゃなくて、取り扱い方に「複雑」があるのが複雑系」

ざっくりでもバシバシ定義してくれるので、論旨の線が直線で、鋼鉄でできてるかのように芯のある印象を受ける。すなわち、たいへんわかりやすい。

「僕にとって複雑系とは生命の新しい理論であり、自然と人工の違いについて考えること」

私は実は、構成論的アプローチという語を検索していて、このレクチャーを見つけたのだったが、会場の参加者は、東京言語研究所の講座の学生さん、講師の先生たちが半数以上で、あとは私のようにいろいろな接点で集まってきた一般の人という印象で、教室いっぱいに入って50名ぐらい。全般に科学な質問が多く、たいへん盛会でありました。

※文中の引用部は、私の記憶とメモによるものなので、不正確なところもあるかと思います。どうぞご了承ください。

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