2008-11-13

「トホホ科学」とは何か。

「トホホ科学」。いったん言い出したのだから、もう少し説明しておくべき、と思った。

日常の体験の中で、ここをなんとか科学的に知りたいなあ、というのがトホホ科学だ。トホホであっても知りたいというところが科学のココロである。

しかし「トホホ科学」にはふたつあって、一つは、先だっての「児童心理学」の話のように、ある問題を見つけてこれを科学的に考えるとこうかなあ、ああかなあとは考えるものの、科学的に考えるには問題が特定できていないとか、対象があいまいだとか、それを分析するツールの持ち合わせがないとか、そういう抜本的な理由で、要するに科学的に取り扱うことができない場合をいう。科学してわかりたいなあ、と思うけれどもできない。科学に辿り着かなくってトホホホホホ……という意味である。

もうひとつはれっきとして科学なんだけれども、専門外の人間には、どことなく滑稽に見える場合をいう。つまり、冥王星が太陽系の惑星なのかそうでないのかがなぜそんなに問題なのか、とか、メバルがシロ・クロ・アカに分かれるというのがどうしてそんなに問題なのか……。いや調べればもしかしたら、一見トホホでも、実は大問題なのかもしれない。だからここはほんとうはよく調べもせずにトホホというのはたいへん失礼なのであるが……、一見、それがどうかしたのか、と突っ込みたくなるような科学を、第一印象でトホホな科学と言ってしまうのである。

ふたつめのトホホな科学は、まず調べる機会があれば、理解したほうがよいと思う。しかし、そういうことをしなくても、そういう大多数の人間にはたいして問題ではないと考えるところを、非常にがんばって研究している人がいるということそのものが、なかなか興味深い。そういうのも含めて人類全体の営みであるからだ。そういう研究がほんとうに必要なのかどうかについて、専門外の人間が判断できることは少ない。しかし「トホホ科学」というかたちであっても関わって楽しめるといいなあ、と思っているのであります。

まだちっとも説明になっていないような、気はしているのでありますが。

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