2008-08-10

科学者の人生は、誰が考える?

前回の続きです。
これね、ポイントは、さして新しいことも言っていないので、むしろ一般的な話である、ってところだと思うんですよ。

「ある問題を引き起こしたのと同じマインドセット(型にはまったものの考え方)のままで、その問題を解決することはできない」

アインシュタインの言葉です、と言われなければ別にどうということもない。もし、この考え方のオリジネータであるというのなら違ってもくるけれど、そういうわけでもないだろう。

そうなると、むしろ、「アインシュタイン"も"」そう考えていたというところに価値があるんじゃないでしょうか。

そうなるとこれは考えようによっては少々よじれた話で、ふつう名言とか示唆に富む話というものは、そうか、そうだったのかと「発見」または「再発見」して、さて明日から採り入れてみようというわけなのだが、「科学者の話」の場合は、そうか、アインシュタインも"自分と同じように"そう考えていたのか、自分もなかなかイケてるではないか──! と話があべこべに進展していく可能性がある。これ、つきつめると、アインシュタインをサカナに、エライのは自分(読者)って話になりかねないですよね?

もちろん、それだけではなくて、たとえば──科学者の人生というものについて、改めて考えさせられる、という方向へ行くことも多いと思う。でもその場合でも、自分だって既にそう考えていたというところは変わらないし、つまり自分と同じものを発見したオドロキというのが、「へえ、そーなんだ」の中味となっている。

うーん、特にアインシュタインに顕著なのは、彼が有名だからで、科学者ものというのはもしかして、みんなこの基本構造を持っているんじゃないか……という気もしてきます。

0 件のコメント: