2009-02-12

『ロボットのおへそ』9 オズの魔法使い

昨日は祝日でした。投稿もお休みしましたが、実は祝日だからというわけではなくて、今回はオズの魔法使いというタイトルで、少しくだけた、言ってみればイナムラ・ロボットの核心から限りなく逸脱するような話を、と思いながら、ドロシーことジュディ・ガーランドのさまざまな映像をウェブで見まくっているうちに、気がつけば日付を越してしまっていたのでした。

『ロボットのおへそ(稲邑哲也・瀬名秀明・池谷瑠絵著、丸善2009)』は「オズの魔法使い」に関わることが書いてある本かというと、基本的に何の関係もありません。ただ1つだけ「20世紀の主なロボット文化関連年表」という年表があり(本をお持ちの方は5ページをご覧ください)、ここに「オズの魔法使い」という作品が登場したのが1900年であることが載っています。

さて、そこで改めてオズの魔法使いのほうを見てみると、ブリキの木こり(the Tin Woodman)という登場人物がロボットともとれるキャラクターです。このロボットのようなものは、「こころが欲しい」と言うのが象徴的です。それから物語の最後に「オズの魔法使い」というのが実は機械仕掛けにすぎず、その正体は年老いたペテン師であることがわかります。これはつまり、魔法であったり、声がとどろいたりすれば怖いけれども、おじいさんが操縦したり、しゃべった声を増幅したりしているのなら怖くない、ということですよね。ちなみに「Wizard of OZ法」という名の、機械か人間かに関わるテストの手法もあるのだそうです。

『オズの魔法使い』の特に、1939年のミュージカル映画は、たいへん楽しく魅力的です。しかし『ロボットのおへそ』を通じて、今度はロボットという切り口でも、もう一度楽しめることがわかるのではないでしょうか。どうぞお試しください。

[ ロボットのおへそ SPECIAL ]
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