2011-03-15

コンテンツとコンテナ。

非常時にコミュニケーション部門がなぜ無力かというと、原則的に、私が担当するような「コンテンツ」というのは、「コンテナ」がなければ、そもそも届くわけがない。たとえばウェブ上の記事ならば、そもそもウェブページが見られる環境が存在しなければ読んでもらえることはありません。

つまり、非常時というのはその「コンテナ」がないからどうしよう、という時であるからして、「コンテンツ」なんか二の次ということになります。

「コンテナ」を確保するということは大事ですよ、というのは平時でないと行えない。さきほどの例で言えば、ウェブページが見られるためには、少なくとも電力と通信環境がなければならない。電力は充電しておくこともできるけれどもいつまでも持つわけにはいかないに決まっています。

しかも人命救助というのはその電力だのを顧みる猶予の生まれるずっと前、もっと重大な迫り来る危機に直面している段階であることを考えると……非常時のコンテンツとは、まさにおよびでない、としか言いようがありません。


ただこのことを逆に考えると……ある程度「コンテナ」が確保されはじめ、情報も流れてゆき、さあいよいよ町をどう再建していこうか、という時になれば、むしろ「コンテンツ」の出番と言えるのかもしれない。

テレビなどで見ている限り寡黙な東北の方は、大々的な集金キャンペーンを行わないかもしれないけれども、その時になってこそお金は必要だろう。地道なコンテンツでじわじわとお金を集めることができれば……そんなふうな貢献のしかたもあるかもしれない。

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