2009-01-16

SMALL コミュニケーション

ウェブが登場して以来、これまでのマス広告とどう違うかというと、これからは大衆ではなく少衆であり、ベストセラーでなくロングテールであり、ターゲットセグメンテーションありきである、というように言われ続けている。説明のしかたはいろいろあり、それぞれに根拠もあると思うので、どれかに拠っていただければと思います。

そこで、ロングテールの先っぽのほうを見ていくと、どうもオタク的な商品になっている。というのも考えてみればもっともで、みんながいいというのではなく、ごく少数の、その商品の価値、もっと言えばその商品の属する世界に精通した人だけがいいと言える商品というわけだからだ。

このようにある意味「専門化」された、スモールな市場へ向けてコミュニケーションすること。これが最近の傾向である。(すごくざっくりですが)

この考えを適用すると、たとえば小説なんかも、そうそう簡単には真似られない技術で、誰もがいいというクオリティを叩き出し、世界の人々に受け入れられて、場合によってはノーベル賞をとることもある、という作家ばかりではなくて、とってもスモールなコミュニケーションだけれども、その世界へ入るとすばらしく輝くような作品も多い、というように変わっていくことが考えられる。現実に、そうなっているのではないだろうか。ただ出版はマスコミュニケーションだから、そういったものが同時にベストセラーであることもあるのだと思う。

そこで、突然ですが「科学」である。

科学はより専門化し、シロウトどころかかなり隣接した領域を研究している人でもにわかには理解不可能であるような精密さを備えていけば行くほど、普遍的になり、より確からしさが高まる、という構造になっているのではないだろうか。というのは、要するに、これまでの話とは「逆に」だ。つまり、世界の大発見といったものは往往にして、同時代的には、ごく少数の人にしかその価値がわからないような発言(=コミュニケーション)だというわけだ。

したがって、科学を伝えるということは、これまでのマスコミュニケーション主流ななかではわかりにくいコミュニケーションだったのだが、言ってみれば「SMALL コミュニケーション」の時代になってみれば、以前からやってましたよ、ということになるのかもしれない。

結論を急ぐようだが、そうなるとサイエンス・コミュニケーションもこれからが旬! なんてことも言えるのかもしれません。(ちょっとまだつながってないように思いますが。。。。とりあえず!)

[SMALLコミュニケーション]
| 1 | 2 | 3 |

0 件のコメント: