2009-01-30

自分のためのプレゼン

「また引き」で恐縮なのですが、オリンパスのメタルボディのカメラ「O-Product」や日産自動車「Be-1」などを手がけたコンセプターの坂井直樹さんが、ご自身が社長を務める会社「water design」のブログで、アップルのもの作りのプロセスについて採り上げていた。

デザインの扉
「心に留めて置きたいアップルのもの作りプロセス」
http://waterdesignscope.com/


もともと採り上げたのはBusinessWeekで、アップは2008年3月というから、かれこれ1年も前の話である。

私がおもしろかったのは、10のアイデアを出して3つに絞るとき、7つを捨て案として作らない、というところだ。プレゼンのときにABC案とあるのは広告の世界では日常的風景であり、ふつうの会社でもごく一般的に使われている手法だと思う。だけど、あれ、なんのためにやってるんですか、というところが、結構あいまいになっているのではないでしょうか。

作り手は、すぐにそういう状況を反映してしまう。つまり方便になっているのだ。したがって究極的にはいい案は1つしかない。だからあとはそれを際だたせるためにある。と考えがちなのである。省力化には欠かせない手法ではあるけれども、クリエータが自分のためにならないことだけは確実である。

このアップル社の記事を坂井氏が採り上げていることで、デザインで自分にOKを出すということの難しさについて、とても考えさせられた。

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