2009-01-08

サイエンスとコミュニケーション。

初心に帰って、今回のテーマはサイエンスとコミュニケーションです。そこでまずはきっかけとなった年賀状の話から──。

年賀状というものを毎年やりとりしている方は多いと思いますが、私もそのひとりで、年賀状というのはまあひとつの形式(慣習といいますか)なので、個人がどのように運用してもよいわけですが、ただ今年いちねん(今で言えば2008年)を、current directoryから外して、過去の自分の歳月のほうへ束ねる、という効果があるような気がして、今年はちょっと不思議に思ったのです。終わっちゃったから棚から下ろして他の年も眠っている蔵へ移す、みたいな感じ。

自分の蔵を見回すと、だいたいがこんなもんしか入っていなかったか! と思う上に、これまでのコピーライターの活動としてはそれなりに情報家電とかやってきたわりには「文化」ものが多い。仕事でお会いする方々が私を「文化」的でこそすれ「科学」的と思わないのも無理はないな、と思う次第。──しかしながら、今年も私はサイエンスのエッセンスを伝える活動を「広告」的に、どんどんやっていこうと思っています。

そこで科学をやろうとするときに、はた、とこれまでとは違う新しい問題がある。何かというと、どうしても英語のものに手を出さないといけないわけなんですね。特に広告の場合には、一般に日本語を話す日本の消費者へ伝える活動なので、その中にある多様な気持ちを汲み上げていくことになる。その際には、ニューヨークのアートシーンもロンドンのオークションも、火星の土の成分表ぐらいにしか参考になりません(!)。

一方科学の場合には、しいて言えば、科学的な事実、科学的な理論があって、それを担い、運んでいるのが主に英語というような状況があるのではないでしょうか。言語に拠らない、という境地には一万光年ぐらいありそうに私には思えるのですが。

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