2011-01-24

「おる」には元来謙譲の意味があるんじゃ?

元来どうか、ということにはあんまりこだわらないでまいりましょうか、というのが昨日の話。そこで「元来」と言っても、文献を調べてどうというのではなくて、現代人の私たちの感覚で、以下のような会話があったとしたら、どうじゃろ?

おじゃる:ほたるはどこじゃ?
ほたる :はい、ここにおります。

このときほたるが「はい、ここにいます。」と言ったら、どうじゃろ?

ここにおります と ここにいます では、なんとなくおりますのほうがへりくだっているよーな感覚が、私にはあるのですが、みなさんいかが?

では、次のサンプル:

弊社では健康に役立つ商品をいろいろと扱っております。
弊社では健康に役立つ商品をいろいろと扱っています。
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最後の「い」抜けもいろいろと話題になるところではありますが、この話はなしにいたしましょう。けれどもこうやって並べてみると、「おります」は少なくとも丁寧な感じがする、あるいは丁寧な感じを出そうとして使っているんだ、って感じがしますよね。

で、いよいよ「おられますか?」を考えてみましょう:

池谷と申しますが、田中先生はいらっしゃいますか?
池谷と申しますが、田中先生はおられますか?
池谷と申しますが、田中先生はおりますか?
池谷と申しますが、田中先生はいますか?

今度は「おる」の主語が、自分ではなく、相手です。そうすると「おりますか」は丁寧な意味に聞こえるでしょーか? もう一例、言い換えると↓

私は、ここにおります。で、あなたは、そこにおりますか?

なんかちょっと、ヘンなんじゃ?
つまり「おる」は、私がつかうと丁寧な感じになり、相手に使うとちょっとそぐわない感じである、ということならば、それこそ謙譲ということではありますまいか。
(まだつづきます)

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