2011-01-04

「似ている」はむずかしい。

私はじつは、顔覚えが悪い。ところで卑近ながら夫はとても顔覚えがよい。かなりよい。まあその反動というかなんというか、夫は、名前のほうはとんと覚えが悪い。夫は、と、街なかで、この顔にぴんと来たらという具合に、

「あっ!」と、誰かを発見する。
──すると向こうも、
「あれ、池谷さんじゃない!」と驚いた顔を見せる。
「いやあ久しぶりだなあ」と夫。
「こんなところでお会いするとは」
「ほんとに」

というシーンを私は何度みかけただろうか……。ところが、その人と別れてから、夫はまだ相手の名前は思い出さないのである。年賀状を書けば1割方、相手の名前が不確かで、時には漢字の違うまま、何年も誤った宛名を書き続けていたりする。

というわけで、その逆の私の場合には宛名は書けても「この顔にピンと来た」はあてにならないわけなのだが、ふと、この顔↓にぴんと来てしまった。

BEST PICTURES OF CARTOON FACE EXPRESSIONS AND CARTOON CHARACTERS IMAGES
http://www.cartoonfaces.net/2010/02/picture-of-cartoon-boy-face-with-smiley.html


似ていると思った元はこれ↓


うーん、だいぶ違う絵のような。でも依然として「似てる」とは思います。何が「似てる」のか? やっぱり自分の脳が持っている分類のシステムですよね、きっと。顔のある特徴について、たとえばえくぼっぽいほおの人は、おちゃめな人というように、自分は自動的にイメージする。たとえば上の2つの顔は、たぶん私にとって顔に対する目の印象や面積の比率が似ている。その時、人間は何かを参照して(つまりそういう人はこういう人、というコトバにできるものを経由して)そういう分類を記憶しているような気がするけれども、それがつまり「特徴をつかむ」ということでありましょう。

……などと考えていくと、「画像解析」の際、

まず解析したい画像をあらかじめ特徴量というものに変換する「前処理」を行います
──Researchmapつながるコンテンツ佐藤洋一教授記事より


というのも「なるほどなあ」と自然に思われてくるんじゃないかと思います。


Akiko Yano Promo film - Welcome Back - Pt. 1 of 3

「むずかしい」とはどういうことか。上記のクリップは矢野顕子さんのWELCOME BACKというアルバムに収録の「ほんとだね」の収録シーン。実際に収録された音源とは別テイクの演奏と思われます。その曲の歌詞に「愛することはむずかしい」「時間がかかるの愛するには……愛し合うのは」とあるのが聴き取れます。「むずかしい」じゃあ、どうするか。と、これは矢野顕子さんのチャレンジ。

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