2010-03-31

からくリィを読む3 ネットでどこまで読めるか。

これまでは本などで私たちが読んできた、古典作品などの価値ある作品が、現在、いったいどれだけウェブに乗ってきているのでしょうか? 

もちろん、これについては著作権者などの権利者がいる場合に、どのようなかたちで還元されるのか、などさまざまな問題が存在しますが、インターネット・ユーザーの立場から、現在公開されているアーカイブをあたってみたいなという時、どんなものがあるかというわけです。

日本語のライブラリーでは、たとえば青空文庫などが有名かと思いますが、世界にはさまざまなデジタルライブラリーのプロジェクトが存在します。このような便利なウェブページを、『からくりインターネット』でご紹介しています。

このブログでも先日、以下のリストを掲載しました↓
2010-03-23
からくりスト4:図書館・デジタルアーカイブ
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_2856.html


もっと他にないの? という方に、こまった時のwikipedia頼りという気もしますが、量的にはまとまっているので、ともかく参考になります。

wikipedia List of digital library projects
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_digital_library_projects


ウィキペディア 電子図書館の一覧
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%AD%90%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

2010-03-29

からくリィを読む2 地中海の真珠、アレクサンドリア

アレクサンドリアという街の名前は、アレキサンダー大王にちなんでいる。英語の歴史の入門書には、だいたいアレキサンダー大王は「はじめて世界統一を成し遂げた人物」と書いてあり、東洋人の私たちにはちょっと「?」な感じがする。気が利いた教科書は地中海世界とインドまでの小アジアというような但し書きがついていたりする。

「世界」と書いている人でも、そういう但し書きがつくことは、おそらく知らないわけではあるまい。けれども、そのくらいにその「統一」が大事業だったのだろうということも想像される。

ブリタニカ百科事典によれば、アレクサンドリアという都市は、アメリカに二つもある。ひとつはバージニア州、ポトマック川の西岸に位置する都市で、もうひとつは南北戦争の時に戦場となったルイジアナ州の都市である。

一方、『からくりインターネット』に関係のある古代のアレクサンドリア、すなわちアレクサンドロス大王が、彼が制服した「世界」の各地に建設した街も、アレクサンドリア図書館のあった地中海岸のエジプトひとつではない。そのすべてが現在もアレクサンドリアという街の名を残しているわけではないが、かつては小アジア一帯の、むしろあちこちにあったようなのである。主なもののなかには古代のトロイ、パキスタンのインダス川とシハーブ川の合流地点にあるウッチュなども含まれていた。

2010-03-26

からくリィを読む。インターネットの情報量はどれくらい?



前回は、『からくりインターネット』をこんなふうに読んでほしい、という話を書きました。ちょっとお願いを書いてしまったかなあとも感じています。

そこで今日からは、『からくりインターネット』をすでにお持ちで読み始めている方と、一緒に読み進んだり、新しい情報やご感想などを追加していければと思います。ついでにブログのタイトルとして『からくりインターネット』という文字数が多いので、ぐしゅっと縮めて「からくリィを読む」と題したいと思います。。どうぞよろしくお願いいたします。

ではまず最初は、第一章の「インターネットはことばの宇宙」という章から、とりあげていきたいと思います。

さて、インターネットってすっかり「あたりまえ」になってしまって、「情報がいっぱいのっているんだよ」というわけですが、では、インターネットにあるウェブページの数はどれくらい? と改めて問われると、さあ誰が答えることができるんでしょうか?──という話が書いてあったと思います。

これに関連して、参考になるサイトのひとつとしてご紹介しているのが、cuilです。cuilはアイルランドで「知識」を意味することばだそうですが、英語だとなかなかきれいに検索結果がでるようですが、日本語ではいまひとつ。

そこで検索はおいておいて、まずcuilのトップページに書かれている数字に注目してみましょう。

127billionってことは、127,000,000,000ですね。
「いっぱい」って思っていたのは、そういう数なのか──
ということが、とりあえずわかります。

ちなみにこのトップページから見ることのできる「video」をクリックして見ると、中にこのトップページの映像が出てきて、そこにもやはり数字が表示されています。よく読み取れないところもあるのですが、「124,426,951,803」と書いてあるように見えました。このvideo、いつ作ったのか? その時点から、

124,426,951,803

127,000,000,000


と増えているわけですね。

うーん……今日は少しお勉強口調になってしまいましたが……というあたりで、引き続き、本書へ戻って、ゆるりとお楽しみください。

なお、検索エンジンと情報爆発については、下記のリンク「からくリンク」で、ウェブサイトをいくつかご紹介しています。ご参考になさってください。
からくりスト2:検索と情報爆発
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_6935.html

2010-03-25

このところどこへ行ってもtwitterの話題で……。


少々、ほんとにツイッターの所為なんでしょうか。と思わないでもないのだけれど、熱に浮かされたように、ついったーでございます。

ところで当「科学と広告のブログ」では、これからしばらく、『からくりインターネット』関連の話題を掲載しようと思っているのですが、最初にお断りしておきますと、『からくりインターネット』には、twitterのことは書いてありません。──がっかり、という方、ごめんなさい。

しかしながら、なぜtwitterなのか、twitterが流行ってくるというのはどういうことなのか、といった背後を理解するうえで役立つ内容を読み取っていただくことは、もしかしたら、可能なのではないかな、と思っています。そしてそれは「twitterに乗り遅れない」ことよりも大事なことなのではないか、と思います。

私も実は、twitterを使っていないわけではないのです。特にこの何日かは、アカウントをいくつかつくってログインしたりログアウトしたりして切替えながら、いろいろ試しています。とにかく、まず気づくことは、

検索窓がでかい。

これに尽きます。これはTWEETの窓もそうだし、FAQ窓も同様です。「世界のみなさん、どーぞ、何が知りたいですか?」という感じでしょうか。私はこの「窓(というもの)」を久しぶりに、強烈に意識しました。この白い窓へ向かって、ひとりひとりがtweetを投げれば投げるほど、みんなが「今」思ったことがどこかのサーバにどんどんプールされていく、ということが想像できます。そしてそのデータは、twitterが持っていて、とりあえず彼らだけが活用可能なデータでありましょう。

それって、どういうことなのかな?

そんなふうに考えを進められるのが、『からくりインターネット』の効果というか、つまり、そんなふうに本書を役立てていただければ、とっても幸いです。たとえば将来twetterに代わる、何か新しいサービスが現れたら……今は飛ぶ鳥のついったーですが──次はいったいどうなるんでしょうか??? このように考えていくと、やっぱり頼りになるのは自分の考える力とか、インターネットのしくみ(からくり)をある程度知っていたり、イメージ出来たりすることなのではないか、と考える次第です。

東西線竹橋駅 パレスサイドビル1F 流水書房様
面陳ありがとうございます。
毎日新聞社のあるビルの1階にある、こじんまりした店内に、話題の本をぎっしり詰め込んだ宝石箱的本屋さんです。

※「面陳」というのは……
背表紙ではなく、表紙を手前へ向けて書棚に展示する方法(という説明でほぼ合っているかと思います)

また本書を著者自身がご紹介する、国立情報学研究所ホームページ内のページにも、ツイッターに関連した話を掲載しています。併せてご覧ください。

『からくりインターネット』
情報研シリーズ13 著者からのメッセージ2
http://www.nii.ac.jp/publication/niibooks/jouhouken-series/13/2/

2010-03-24

SIGVerseリリース@社会的知能発生学研究会公開シンポジウム

稲邑先生が幹事を務められる社会的知能発生学研究会。今回は、初めての国立情報学研究所での開催で、シミュレーション・プラットフォームが公開、配布される、というので見学してまいりました。

先日の投稿、
ロボットとお好み焼きを焼いてきました。
ですが、このお好み焼き、残念ながら食べられないんです!
2010-03-10


というあれです。


■社会的知能発生学研究会 公開シンポジウム 開催概要■
日程:2010年3月24日(水)
時間:12:30開場,13:00開始〜17:30
場所:学術総合センター2階 中会議場

- 12:30 開場
- 13:00〜13:10 開会挨拶
- 13:10〜13:55 講演1 清水正宏(東北大学・助教)
        「粘菌とロボットをつなぐモノ」
- 13:55〜14:40 招待講演 青沼仁志(北海道大学・准教授)
        「コオロギの社会適応行動の構成論的研究」
- 14:40〜15:00 休憩
- 15:00〜15:45 講演2 櫻井圭記(プロダクションI.G・脚本家)
        「人間かロボットか、それが問題だ!(あるいは問題ではないかだ!)」
- 15:45〜16:30 講演3 稲邑哲也(国立情報学研究所・准教授)
        「社会的知能発生学シミュレータ:SIGVerse」
- 16:30〜17:15 パネルディスカッション
        司会 瀬名秀明(作家)
        パネラー:清水正宏,青沼仁志,櫻井圭記,稲邑哲也
- 17:15〜17:30 閉会の挨拶

2010-03-23

からくりスト5:次世代ウェブと参加型サイト

●次世代ウェブと参加型サイト
あのひと検索「SPYSEE」
http://spysee.jp/

「兆(きざし)」
http://kizasi.jp/

ウィキペディア フリー百科事典
http://ja.wikipedia.org/wiki/

新世代研究基盤サービス「リサーチマップ」
http://researchmap.jp/

からくりスト4:図書館・デジタルアーカイブ

●図書館・デジタルアーカイブ
国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」
http://kindai.ndl.go.jp/index.html

国立情報学研究所「目録所在情報サービス」
http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/

Project Gutenberg ※最も古いデジタルライブラリー。
http://www.gutenberg.org/wiki/Main_Page

UNESCO、米国議会図書館「The World Digital Library (WDL)」
http://www.wdl.org/en/

欧州文化遺産のマルチメディア図書館「Europeana」
http://www.europeana.eu/portal/

「HathiTrust -a shared digital repository-」
http://www.hathitrust.org/

米国議会図書館(U.S. Library of Congress)
http://www.loc.gov/index.html

英国図書館(The British Library)
http://www.bl.uk/

フランス国立図書館(Bibliothèque Nationale de France)
http://www.bnf.fr/

ドイツ国立図書館(Deutsche Nationalbibliothek)
http://www.d-nb.de/

中国国家図書館(北京図書館)
http://www.nlc.gov.cn/

からくりスト3:コーパス・辞書資産・翻訳支援、その他

●コーパス・辞書資産・翻訳支援、その他
The British National Corpus (BNC)
http://www.natcorp.ox.ac.uk/
BROWN CORPUS MANUAL
Brown University, 1964. Edition, 1979
http://khnt.aksis.uib.no/icame/manuals/brown/

KOTONOHA「現代日本語書き言葉均等コーパス」
http://www.kotonoha.gr.jp/cgi-bin/search_form.cgi?viaTopPage=1

The EDR Electronic Dictionary
電子化辞書
http://www2.nict.go.jp/r/r312/EDR/J_index.html
Princeton University "About WordNet"
http://wordnet.princeton.edu/

日本語 WordNet
http://nlpwww.nict.go.jp/wn-ja/

国立情報学研究所、GSK「音声資源コンソーシアム」
http://research.nii.ac.jp/src/

常識データベース「OpenCyc.org」
http://sw.opencyc.org/

言語グリッド「NICT Language Grid」
http://langrid.nict.go.jp/jp/

高度言語情報融合フォーラム「ALAGIN」
http://alagin.jp/index.html

特定非営利活動法人 言語資源協会「言語資源カタログ」
http://www.gsk.or.jp/catalog.html

KWiC Finder
http://www.kwicfinder.com/KWiCFinder.html

みんなの翻訳
http://trans-aid.jp/

からくりスト2:検索と情報爆発

●検索と情報爆発
検索エンジンGoogle
http://www.google.co.jp/

検索エンジンYahoo! JAPAN
http://www.yahoo.co.jp/

検索エンジンcuil
http://www.cuil.com/

検索エンジンbing Beta
http://www.bing.com/

検索エンジンWolframAlpha
http://www.wolframalpha.com/

「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」領域代表者:喜連川優教授(東京大学)
http://www.infoplosion.nii.ac.jp/info-plosion/

「言語間デジタルデバイド解消を目指した言語天文台の創設」三上喜貴教授(長岡技術科学大学)
Language Observatory 公式サイト
http://gii2.nagaokaut.ac.jp/gii/blog/lopdiary.php

からくりスト1:インターネット統計・歴史

●インターネット統計・歴史
EAMES OFFICE Powers of 10
http://www.powersof10.com/

How Much Information? 2003
http://www2.sims.berkeley.edu/research/projects/how-much-info-2003/index.htm

How Much Information? 2000
http://www2.sims.berkeley.edu/research/projects/how-much-info/

UNESCO Statistics(ユネスコ統計)
http://www.uis.unesco.org/

Hobbes' Internet Timeline v8.2
http://www.zakon.org/robert/internet/timeline/

国立国会図書館 インターネット情報選択的蓄積事業 WARP(Web Archiving Project)
http://warp.ndl.go.jp/search/

からくりインターネットのリンク集

新刊書『からくりインターネット』の巻末に掲載されている、さまざまなインターネット上の情報源──インターネットそのものに関する情報源や、検索サービス、辞書やコーパス、図書館やアーカイブ、新しい参加型サイト等々──のリンク集をまとめました。ここに、その目次を掲載いたします。

からくりスト1:インターネット統計・歴史
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_23.html


からくりスト2:検索と情報爆発
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_6935.html


からくりスト3:コーパス・辞書資産・翻訳支援、その他
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_796.html


からくりスト4:図書館・デジタルアーカイブ
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_2856.html


からくりスト5:次世代ウェブと参加型サイト
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/03/blog-post_9612.html



なお、このリンク集は、国立情報学研究所のホームページでもご覧いただけます↓

国立情報学研究所「情報研シリーズ13」著者からのメッセージ
http://www.nii.ac.jp/publication/niibooks/jouhouken-series/13/

※リンク集は、上記のpage3をご覧ください。

併せてご活用ください。

からくりインターネット
─アレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術まで─
相澤彰子、内山清子、池谷瑠絵(丸善)

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2010-03-21

penguinsのガジェット


iGoogleのガジェットでペンギンを貼ってみました。
なかなか、歩き方がよくできています。
ペンギンはハンチングと一緒で、どちらを向いているかが強調されることもあってか、ペンギン同士のコミュニケーションがすごくあるように見えます。

2010-03-19

豆本の次は、でかい広告。

『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』という面白い本があるのですが、そんなことも思い出した、このポスター……どうです、確かにでかいでしょう。


この看板ポスターを見かけたら、以下のリンクから、本の中身もちょっと覗いてみてください。


からくりインターネット
─アレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術まで─
相澤彰子、内山清子、池谷瑠絵(丸善)
発売中
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まだなか見検索が始まっていないようです(じきにはじまります)……。以下の丸善出版事業部サイトでは、詳しい目次などをご覧頂けます。

丸善出版事業部 ニュース
『からくりインターネット』丸善ライブラリー新刊
「ことば」からインターネットのしくみを解明する!
2010年3月新発売

2010-03-18

『からくりインターネット』書店様向けツールを公開。

見てください、この豆本。



実はこれ、この度の新刊『からくりインターネット』の販促用ツールなんです。

『からくりインターネット』の表紙は、『ロボットのおへそ』に続き、タラジロウさん。で、この表紙のイラスト(小さいですが)、ちょっとよくみてみてください──ひとつひとつがUSB機器になっているんです。

でもって、もしこんなUSB機器を接続したら……たとえば本USBなら辞書ツールが使えたり、カバンUSBなら旅行ガイドかな、地図とか、あるいは国旗USBなら翻訳ツールとかいったように……機能などをプラグインして、つまり新しい機能や道具を追加して組み込んで使うことができるじゃないか、と考えたわけなんです。そしてこれらのアイテムは、もちろん本の中身と関連しています。

そこで販促チームが考えたのが、この本そのものもそうなんじゃないか、ってこと。本を読者のみなさんのパソコンにサクっと差すと、インターネットが違って見えてくる……。というわけで、豆本のかたちをした『からくりインターネット』に、(画像ではついていませんが)USB端子様のものをつけた店頭用ツールを作りました。(台紙は別途あって、そこからぶら下がる感じになります)

すでに発送済みで、POPの形のものは現在はないとのこと。しかしもし書店様でご活用いただけるお店がありましたら、rue(a)famipro.com(池谷)までお問い合せください。((a)をアットマークに変えて送信ください)なお手作りのため、書店様に限らせていただきます、なにとぞご理解・ご了承くださいませ。

2010-03-17

わたしを作家にするプロジェクト?

intelが「あなたを作家にするプロジェクト」という特設ページを公開している。


現在の本という紙メディアにとても近い雰囲気を画面上で再現するデザインだ。
そして、一番人気を集めたという指標によってマガジンハウスからの出版が待っている!とのこと。

ところでこのページのスポンサーはintelである。トップページの左上に「CPUの歴史」というメニューがある。

ここをクリックすると、年代ごとに、コンピュータの処理速度がいかにアップしていったかが記されている。ムーアの法則である。

特に、右上のトランジスタの数を見ると楽しい。1990を越えたあたりで単位が変わる。2010年にはもう、トランジスタの数というよりは、モアレのようになっている。

ちなみに、wwwの登場が、1980年代の終わり。自然とインターネットについても考えてしまう。

からくりインターネット
─アレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術まで─
相澤彰子、内山清子、池谷瑠絵(丸善)
2010/3/15に発売になりました
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2010-03-16

インターネットってテレビになるのかな。

昨今、「次世代インターネット」なんてことばも聞きます。

先日、「情報学シンポジウム」@乃木坂・日本学術会議を聴講してきました。テーマは「情報分野のロードマップ」。

ここでの講演やパネル討論、会場から寄せられた質疑と応答などをききながら、ふと、インターネットってテレビになるのかな、などと思ったのでありました。

インターネットといえば、アマゾンでの販売も始まった新刊です↓
からくりインターネット アレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術まで [丸善ライブラリー]
相澤 彰子,内山 清子,池谷 瑠絵
丸善
2010/3/15発売になりました
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2010-03-15

The Future of the Book

The Future of the Book「本の未来・未来の本を考える」講演会を聴いてまいりました。

日時:2010年3月14日(日) 13:30〜16:45
会場:一橋記念講堂 (東京都千代田区一ツ橋 2-1-2)
題目:蔵書全文デジタル化の先に見える図書館の未来
講師:Michael A. Keller (スタンフォード大学図書館長)
進行・聴き手:高野明彦 (国立情報学研究所)

国立情報学研究所 イベント案内
http://www.nii.ac.jp/events/2009/0309/


今回はGoogle Booksでも話題になった、米国はシリコンバレーにあるスタンフォード大学の図書館(地下にブックスキャンの部屋「Robotic Book Scanning」がある!)館長Michael A. Keller氏の講演会。

昨年、国立国会図書館で開かれたアレクサンドリア図書館館長の講演会と対談、元フランス国立図書館館長講演(と対談)にも出席し、この流れで興味深く拝聴しました。

この関心、そもそもはこの本が発端で。

からくりインターネット アレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術まで [丸善ライブラリー]
相澤 彰子,内山 清子,池谷 瑠絵
丸善

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近代に楽譜を売る「作曲家」というものが登場して、「作曲家」という存在が社会的に大きく変化したように、本をめぐって「作者」というものが大きく変化しはじめている……などと思いながら拝聴。

と、高野先生のご紹介で、ケラー氏はもともとはmusicologyを専攻、マドリガーレの文献学的分類整理の研究(だったと思います)がご専門とのこと。

しかし、デジタルコンテンツ白書などを見ても、確かに──変化は音楽から始まる……というのは、うなづけるところ。

2010-03-12

広告は永遠に不滅です。3

さて、権威ある新聞と違って、広告制作のスタッフであるばらばらの個人は、それぞれに資質も違い、なかなか一筋縄にはソリューションが見つからない。。

けど、そんな気がするだけかもね、と最近は思うように、なってきました。

ひとつの盲点は、技術が変化すると、技術にばかり目がいくところであります。

技術者としてある技術を売っていた場合は、これはそのままでは難しいかもしれない。けれども、その技術から汎用的なものをつかみだして、別の引き合いのある技術で活用するといったことも可能でありましょう。

それから広告制作者のようにそもそも技術といいながら本来は「クリエイティビティ」こそが売り物であった者たち(←これに含まれるひとりが、たとえば私)は、やはり「クリエイティビティ」の質を上げるしかない。

なんか編集会議みたいになってきましたが。
というわけで、広告制作者の場合……

すると、まとめ
1:「クリエイティビティ」の質を上げ、その人にしかできないもので、人気を集める
2:広告制作のエッセンスを、別の新しい技術などで、活用する道を拓く
と言えるのではないでしょうか。

とにかく、しがみつかないのが大事というわけで、しがみつかないつながりの本を貼らせていただきました。↓

しがみつかない生き方—「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)新書 - 2009/7
香山 リカ
幻冬舎
¥777
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2010-03-11

広告は永遠に不滅です。2

さて、コピーライターとかクリエイティブディレクター(←私はこれです)、広告のデザイナー、アートディレクター、フォトグラファーといったプロたちはこれからどうするか、という話の続き。

何も広告に限らず、テレビも新聞も、今はたいへんな時代だと言われていますが、ただ、そんなことは何年も前からわかってたです。

どうするんだろう? なんか生き延びる方法があるんだろうか?

メディアの収入源は今も昔も広告であるし、今後はますます広告でありましょう、きっと。でもって、たとえば新聞の場合……

すると、
1:記事の質を上げ、そこでしか得られない情報を載せ、アクセスを集める
2:広告効果計測可能な技術*などで、広告主満足度の高いシステムを運用する
答えとしては、これしかないように思われる。(*技術は、必要なデータ等を提供すればよく、自分で構築しなくたって構わないのかもしれない。)

言うは易し。

永遠に不滅といえば、家元ということで↓
長嶋茂雄—永遠不滅の100伝説
ミスタージャイアンツを愛する会
テーミス
2000/11
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2010-03-10

ロボットとお好み焼きを焼いてきました。

ですが、このお好み焼き、残念ながら食べられないんです!

↑雪予報の出ている雨の日なのに、
やけに鮮やかな安田講堂@東京大学(本郷)前の芝生。


昨日は、情報処理学会50周年記念大会関連イベント「今ドキッのIT@御殿下記念館」の稲邑先生の展示を見てきました。

この展示のひとつが、シミュレーターの中で鉄板を挟んでロボットと対面し、ふたりであれやこれや言いながら、焼いていくというというプログラム。



ほっておくと、画面の中のお好み焼きがずんずん焦げていく!

画面の中とはいえ、焼け具合だの、食べ頃だのには、かなりの神経がいってしまう性分。鍋奉行じゃないですが、このやきもきする感じを持ちながらロボットと対面している、というのがなかなかリアルで面白いのでした。

ロボットのおへそ (丸善ライブラリー)
稲邑 哲也,瀬名 秀明,池谷 瑠絵
丸善

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2010-03-09

広告は永遠に不滅です。1

という本をつくろうよ、と広告制作の仲間に言ったのだけれども、誰も乗ってくれない。(笑)

──このたびは、私の「根っこ」の部分である広告制作やコピーライティングのことを少々、書いていきたいと思います。──

というわけで、広告の仲間はみんな、『広告は永遠に不滅です』という企画に乗ってくれない(!)

こういうときには、しみじみ、「カタカナの職業」という言葉を思い出させられる。(私の場合は「コピーライター」というものになります。。)

自分を含めて、広告制作という分業による専門化したスタッフの、この瀕死の、消えゆきそうな職業がいかにすばらしかったかを、自虐的というか諧謔的に描こうという本なのだが、みなさんやっぱり、そういう「かっこわるい」ことはいやみたいです。

かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう
2008版
ポニーキャニオン

このアイテムの詳細を見る


しかし改めて、広告制作という仕事は、なんか技術的なものにとって代わられてしまうのだろうか? それともなんか生き延びる方法があるんだろうか?

この"泣かせる"ベストセラー↓、しかしつくりは取材なんですね。これをぜひ自作自演で、広告で(!)
シブすぎ技術に男泣き!
2010/1/20
見ル野 栄司
中経出版
¥ 1,000
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2010-03-08

原寸大、立体型抜きの、額面広告。

↑マシンの部分がでっぱって、立体になっている。

ちびパソコンの新製品がいろいろ出ている間にひとつほしいと思うこのごろ。富士通の「LOOX Uシリーズ」は、約495g、CPUはAtom 520(1.33GHz)、メモリ2GB、ストレージ30GB SSD、タッチパネル式液晶とのこと。なんとも鮮やかなカラーバリエーションですね。

無理とは思うけど、これでDVDが観られるやつがあると便利なんだよなあ〜。台所用ということで。(コンセプトずれすぎですね、すみません)

2010-03-05

みんながインターネットを使う時代だからこそ。

3月中旬発売予定の共著作『からくりインターネット(丸善ライブラリー)』のご紹介ページがいろいろアップされてきたので、リンクを張りたいと思います。(リンクは「張る」なのか「貼る」なのか?? ページには「貼る」けれども、リンクというのは「張る」ものだろう、とか思ったりいたしますが……)

■丸善出版事業部 ニュース
『からくりインターネット』丸善ライブラリー新刊
「ことば」からインターネットのしくみを解明する!
2010年3月新発売
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/news_event/2010/net_karakuri.html


上記のページには、章立て以下の見出しを含む目次要素がぜんぶ入っています!
昔はアマゾンに「目次」というのがあって、これをテキストで見ることができてとっても便利だったのに、最近なくなりました。その代わりに「なか見検索」ができましたね。

■国立情報学研究所ホームページ
情報研シリーズ 紹介ページ
新刊 (平成22年3月中旬発売予定)
<情報研シリーズ13(丸善ライブラリー)>
http://www.nii.ac.jp/publication/niibooks/jouhouken-series/

「からくりインターネットーアレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術までー」
相澤 彰子教授、内山 清子特任研究員、池谷 瑠絵氏(サイエンスコピーライター)

上記のページには、刊行時に、関連コンテンツとして、著者による本のご紹介が掲載される予定です。テーマはずばり「みんながインターネットを使う時代だからこそ」。このブログをご覧いただいている方はもちろん、むしろ貴方のご家族とか、周囲の方とかに読んでほしい感じの本ではないかと思っております。ウェブのほうも、ぜひご覧ください(3月中旬頃掲載予定)。

からくりインターネット
アレクサンドリア図書館から次世代ウェブ技術まで
相澤 彰子,内山 清子,池谷 瑠絵
丸善ライブラリー
※現在、予約受付中です
このアイテムの詳細を見る

2010-03-04

家でやろう。3月も恒例で。


先日、おひな様というのをちょっと改めて考えるような機会があって、ふと区役所なんかでちらしを眺めていたら、ひなまつりにちなんで各地に残る古いおひな様なんかを展示したりするイベントがごく近所で開かれていたりすることに気がついた。

そのひな祭りも過ぎて、3/4になってしまいましたが、3月のメトロは、恒例の「家でやろう。」でした。このひとたち、ちょっと散らかし過ぎでは!?

2010-03-03

地デジと技術、コミュニティの話

インターネットに関する話題は、いつも何かに集中する。
今の流行りは「ついったー」でありましょう。

私自身は、なんだかもうすぐに条件反射のように登録はしたものの、あまり気乗りしないで過ごしております。。

しかしtwitterへの関心は、その技術そのものではなく、それが生み出す新しい人間と人間の関係や、新しいコミュニケーションというところにしっかり焦点が合っているように思う。

これはインターネットの話題がだんだんにそのような地点まで来たのだなあということを思わせる。ちょっと前なら「セカンドライフ」だし、その前はやっぱり「ブログ」かなあ。あるいは「RSS」だったり、それよりも前だと「ハブ」だったり、「イーサ(Ethernet)」だったり、ランキングを見ると、へえーと思うようなのが現れては消えてというようにして推移してきたように思う。

IT用語事典「e-Words」
注目用語ランキング100
http://e-words.jp/p/s-ranking.html


つまりインターネットの場合、最初はなにかと技術の言葉へ注目が集まっていたのが、次第に技術が生み出すと考えられるコミュニティのほうへと関心が移ってきているように私には思えるのである。見方を変えると、ひとつの技術で、それを使ってこんなことができる、あんなことができるというのが、今や豊富にイメージでき、創出できるのである。

それに比べると「地デジ」というのは、まったく技術の言葉であり、その技術によって何が可能になるのか、何が変わるのかというと、「今のテレビが使えなくなる」と答えることはできるけれども、なんとなくコンテンツの中身がイメージできないのは、やはり参加度が決定的に低い(だろう)せいだろう。

2010-03-02

センスが悪いも命取り。(香絵博士の場合)

先日の根本香絵博士の一般講演について、時が経つほど、いろいろと思い当たることが増えてくる昨今。

というわけで、今日の話題は、そのひとつ。
──科学の最先端は、人類がまだ誰もわからないというエッジ(崖)に立って、そこからわかるほう(陸のほう)ではなく、わからないほうへ進むのだ、というのがあった。

ふむふむ。

リョーシ猫(私のことです)的には、いかにも香絵博士らしい発言という感じ。

このようにして「当たり前」と思ってしまうから、またもや「発見」の機会を逃してしまうわけだが、ところが、今日たまたま書架に「科学はわからないから面白い」といった記述を見つけたのがあらたなきっかけとなったのである。

「わからないから面白い」って、そうでもないよなあ、と私は思ったのだ。

わからないというのは、やっぱり大変なことなのであります。どっちかっていうと、わかったほうがおもしろい。

しかし今はそういう話ではなくて、もう一度香絵博士の話を思い出してみましょう。

わからないほうへ行くというのは──いわばフィードフォワードなわけで──何が起こるかわからない。崖から落ちるだけってこともあるし、穴に落ちるってこともある。なにしろわからないんだから。……と、最先端というのは、そういう勇気の要る活動なんだ──と、そういうお話でした。

しかしこのように聴くと、私たちの感覚では、「じゃ、いちかばちか」なんて思ってしまう。

けれども科学では当然ながら「当たりが出ればいい」というのとも違います。だからやっぱりそこで「カン」がよくないといけないんだろうな、と憶測するのであります。

香絵博士のいる理論物理学という分野では、特にアイデアの質が問われるように思われるのも、このことと無関係ではないでしょう。「カン」というか考えの「スジ」というか、つまりセンスがよくないと、落ちるばっかりってことにもなるし、よくないを越えてキケンですらあるかもしれない。

なにしろ、そのわからない方へ進めば──

「たいがいは失敗します」

だそうなので。

2010-03-01

忘れものは、見つかりました。

当「科学と広告のブログ」の2010-02-15の投稿、

2010-02-15
科学者、哲学を語る。
http://sciencecopywriter.blogspot.com/2010/02/blog-post_15.html


で、「1999年に University of California at Berkeleyで開催されたWeb Rushという催しで、「Challenges of the network society」と題するパネルディスカッションを行った」ということを紹介したのだが、その後ウェブをいろいろ、たとえばノキアのサイトなどにも行ってみたりして探したのだが、どうも見つからない。

そう思っていたら、単行本の『The Hacker Ethic』がまさに、その話のつづきなのだった。

そもそも、元のトーバルズさんの自伝『Just for Fun: The Story of an Accidental Revolutionary』からして、冒頭の3原則というのが、度肝を抜くのだが、『The Hacker Ethic』は、(まだ入手したばかりなのですが)これをプロローグとして進んでいく船であるようである。

こんどは哲学者(社会科学者?)による技術の話だ。

リナックスの革命 — ハッカー倫理とネット社会の精神
ペッカ ヒマネン,リーナス トーバルズ,マニュエル カステル
河出書房新社

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