2010-03-29

からくリィを読む2 地中海の真珠、アレクサンドリア

アレクサンドリアという街の名前は、アレキサンダー大王にちなんでいる。英語の歴史の入門書には、だいたいアレキサンダー大王は「はじめて世界統一を成し遂げた人物」と書いてあり、東洋人の私たちにはちょっと「?」な感じがする。気が利いた教科書は地中海世界とインドまでの小アジアというような但し書きがついていたりする。

「世界」と書いている人でも、そういう但し書きがつくことは、おそらく知らないわけではあるまい。けれども、そのくらいにその「統一」が大事業だったのだろうということも想像される。

ブリタニカ百科事典によれば、アレクサンドリアという都市は、アメリカに二つもある。ひとつはバージニア州、ポトマック川の西岸に位置する都市で、もうひとつは南北戦争の時に戦場となったルイジアナ州の都市である。

一方、『からくりインターネット』に関係のある古代のアレクサンドリア、すなわちアレクサンドロス大王が、彼が制服した「世界」の各地に建設した街も、アレクサンドリア図書館のあった地中海岸のエジプトひとつではない。そのすべてが現在もアレクサンドリアという街の名を残しているわけではないが、かつては小アジア一帯の、むしろあちこちにあったようなのである。主なもののなかには古代のトロイ、パキスタンのインダス川とシハーブ川の合流地点にあるウッチュなども含まれていた。

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