http://www.movies.co.jp/surrogate/
金曜日ですねえ。さて今日から、いよいよ映画『サロゲート』が公開になります。2010/1/20にご紹介した『アンドロイドサイエンス』を既に読んだ方、またロボットに興味のある方は、ぜひとも駆けつけられたい! 私も観ましたが、石黒先生のロボットを理解する上で、とても参考になることと思います。なお『ロボットは涙を流すか─映画と現実の狭間─』でも、この映画を採り上げています。
ところで「サロゲート」と言えば、日本語ではこれまで「サロゲートペア」という語が、ごく一部でだとは思うけど、知られていたようだ。文字エンコーディングのUTF-16で使われているしくみの一部で、訳語は「代用対」という。この「代用」という訳語や、「ペアで用いる」というところが、ポイントであるわけですね。
映画のサロゲートも、人の代用、すなわち身代わりロボットのことを指す。人々は家で寝そべっていて、仕事も恋愛も、身代わりロボットがこなしてくれる近未来が描かれてゆく。観ているほうは、この身代わり=サロゲートという別の体を持つのって、どんな感じなのかなとか、と同時に出逢う相手もサロゲートなのだから、どんな感覚を持つだろうか……といったあたりをリアルに体験するチャンスであります。
そして映画を観ながら抱いた、サロゲートに関するリアルな感覚がまださめやらぬ内に、石黒浩教授ならこれをどう観るのか──特に、映画と、現在のロボット研究とは、共時的にどのような関係にあるのか、そして今後どのような形で関わっていくのだろうか──といったことをできれば本書で「読み」進めてほしい。
しかし、この映画と石黒ロボット学の関わりは、もちろんそれだけではない。
まずはこのことを紹介しなければならなかったのだが、実は、この映画の冒頭に、石黒浩教授とジェミノイドが登場するのである。ジェミノイドというのは石黒教授にそっくりのアンドロイドで、ちなみにジェミノイドとは、双子、双生などの意味を持つ「gemin」から名づけられたものだ。このことだけから言えば、映画は「サロゲート」でなく「ジェミノイド」でもよかったのではないか?? などと私には思えてもくるのである。
『サロゲート』は、最も新しい映画であるだけに、『ロボットは涙を流すか─映画と現実の狭間─』で採り上げている映画の中でも最もスリリングな展開になっていると思う。
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本書では『サロゲート』のほか、『アイ, ロボット』『スタートレック』『マトリックス』『トランスフォーマー』 『ターミネーター』『A.I.』『スター・ウォーズ』『アンドリューNDR114』『攻殻機動隊』等を採り上げています。
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