アンドロイドサイエンス ~人間を知るためのロボット研究~ 石黒 浩 毎日コミュニケーションズ このアイテムの詳細を見る |
「お前はもう死んでいる」という有名なセリフは、『北斗の拳』である。
一方「不気味の谷」とは、ロボットなどの機械が人間に似てくるにつれ、人がそれらに対して抱く好感度もだんだん上がっていくが、あともう少しで人間と同じという直前でそのグラフががっくりと降下し、その後は急回復して人間と同じとみなされるようになるという現象をいう。グラフはwikipediaに載っている。
ウィキペディア 不気味の谷現象
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%B0%97%E5%91%B3%E3%81%AE%E8%B0%B7
ただちに考えられる反論は、完全に人間と同じロボットなんかいないじゃないか、というものだ。だからグラフの先のほうは検証されていないということは、誰にでも確認できる。谷に落ちたらどんなに不気味だろうか。いや、もしかしたら好感度はその後、回復しないかもしれないではないか?……そんな予想も可能なわけである。
「……アンドロイドはもはや不気味ではない。」
(『アンドロイドサイエンス』p244、215を参照。)
と書いてある本を読んで、私は驚愕した。これはどうやら谷へ入ってしまったロボットのことや、彼らがいかに超えられるのか、などと案じている場合ではない。この著者は、不気味の谷(の底)は克服した、と言っているのである。これではまるで『北斗の拳』ではないか──お前はもう不気味の谷を越えている……。
その著者であり、アンドロイドの生みの親である大阪大学の石黒浩先生にお会いしたのが昨年の夏のことだ。そしてそれがまたまた幸福な共著になった。
本日、店頭に並びます。
ロボットは涙を流すか 石黒 浩,池谷 瑠絵 PHP研究所 このアイテムの詳細を見る |
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