2010-11-01

データベースの中の死者

なぜ本を書くのか、同時代の人とコミュニケーションするため、後世に残ろうとなんて思っていない……ということがよく言われる。ああ、なるほど、と思う。

ネットの中にあるたくさんのことばがいきかっているのが、そのためなのか、というふうにも思う。

しかし、ときどきその中に死者が混じっている。

あらためて図書館を眺め直してみると、図書館にある本の著者のほとんどは死者である。どうだろう、8割ぐらい死者なんじゃないだろうか。

そこへいくとネットは比較的生きている人の割合が多いわけなのだけれども、このひょっとして死者の割合というのは、今後増えていくほかないように思われる。それに、著者本人がなんらかのかたちでネット上に発信していると仮定すれば、その人が生きているのか死んでいるのかがたぶんわかる。これは図書館の時と違うところだ。

ただ個人のデータベースは、個人がなくなったとき、誰が管理するのか? たぶん、「誰かがひきついでいくこと」あるいは「そういう人がいること」が大事なことになってくるのではないだろうか。

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